あからさまに(ほんのちょっくら)

★解説

「あからさまに」という言葉は現代でも使いますよね。

「あからさまに態度を変える」「あからさまに不機嫌になった」など、「露骨に」というような意味で使っていると思います。

昔はこの「あからさまに」という言葉を、「待たせるほどもなくすぐ、ほんのかりそめに」という時間的な意味で使っていました。「ちょっとそこまで行ってくるよ」の「ちょっと」という意味ですね。

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★オリジナル古文を作る

んじゃ、ちょっくらコンビニに行ってくるワ。すぐ戻ってくるからサ。

「あからさまに」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

んじゃ→「されば」

ちょっくら→「あからさまに」

コンビニに→「コンビニに」

行ってくるワ→「行きて」

すぐ→「いま」(「現在」という意味ではない。「ただちに、いますぐ」という意味)

戻ってくるからサ→「戻りなむかし」

「されば、あからさまにコンビニに行きて、いま戻りなむかし」

こよなし(ダンチ!比べ物にならない!)

★解説

「こよなし」は、「格段に違う、段違い」という意味で使います。

ルックスの美醜、服装センスの有無、学歴、などなど比較するものは世の中にたくさんありますが、昔は身分制度が厳しかったため、「あの方と私とでは身分が段違いだ・・(こよなし・・)」という風にも使われていました。

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★オリジナル古文を作る

うちのバカ兄貴と〇〇先輩のどっちがイケメンかって?!決まってんじゃない、ダンチよお~!!

「こよなし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

うちのバカ兄貴と→「うちのバカ兄貴と」

〇〇先輩の→「〇〇先輩と」

どっちが→「いづれか」

イケメンだって?!→イケメンとや?!(「とや言ふ?!」の略)

決まってんじゃない→「言ふも愚かなり」

ダンチ→「こよなき」

よお~!!→「ものを!!」

「うちのバカ兄貴と〇〇先輩といづれかイケメンとや?!言ふも愚かなり、こよなきものを!!」

もどく(ディスる、非難する)

★解説

「ディスる」、つまり人や物事について悪く言ったり、非難や批判をすることを、「もどく」と言います。

ネガティブ発言という意味では、「かこつ(愚痴る」」に似ていますが、「かこつ」が自分の身の上を嘆く意味で使われるのに対し、この「もどく」は、ベクトルが他者に向かいます。

つまり「他罰的なネガティブ発言」が「もどく」という風に覚えておくとよいでしょう。

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★オリジナル古文を作る

「だいたい、世の中の政治家なんて偽善者だよ!!」といつも悪く言う。

「もどく」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

だいたい→「おほかた」

世の中の政治家なんて→「世の中の政治家なんど」(「なんど」は「など」と同じ意味。やや否定的な意をこめる)

偽善者だよ!!→「偽善者なり!!」

と→「と」

いつも→「常に」

悪く言う→「もどく」

「おほかた世の中の政治家なんど偽善者なり!!と常にもどく」

 

いとほし(カワイソー)

★解説

「愛おしい(いとおしい)」と似ていますが、意味はちょっと違います。

もともとは、他人の気の毒な様子を目の前にして、「可哀そうだな」と同情する気持ちを、「いとほし」と言っていました。

「同情する」という動詞は、「いとほしがる」という表現になります。

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★オリジナル古文を作る

隣のツトムちゃん、また大学に落ちたんだって。

カワイソーで目も当てられないよ・・。

「いとほし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

隣のツトムちゃん→「隣のツトムちゃん」

また→「またも」(「も」は強調。なくても可)

大学→「大学」

落ちたんだって→「落ちにけりとか」(「とか」は伝聞)

カワイソーで→「いとほしくて」

目も当てられないよ→「目も当てられず」

・・→「・・」

「隣のツトムちゃん、またも大学落ちにけりとか、いとほしくて目も当てられず・・」

 

 

あな憂(あ~ヤダヤダ)

★解説

「あな憂」は、「あなう」と読みます。

「あ~ビックリした!」「あ~ダルイ…」と現代の我々も毎日口にしている「あ~…」という言葉。

昔の人もしょっちゅう口にしていたのですよ。

それが「あな」。

「あな+〇〇」で、「あ~、〇〇!」となりますが、この〇〇の部分には、通常形容詞の語幹(活用しない部分)が入ります。

「あな憂」の「憂(う)」は、「憂し(うし)」という形容詞で、「つらい、気が進まない、ユーウツ」という気分を表します。

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★オリジナル古文を作る

なんで勉強なんかしなきゃならないんだろ、あ~ヤダヤダ、遊びに行こうっと!

「あな憂」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。

一語ずつ直していきますよ。

なんで→「などて」

勉強なんか→「勉強をば」

しなきゃならないんだろ→「すべきにかあらむ」

あ~→「あな」

ヤダヤダ、→「憂、」

遊びに→「遊びにこそ」

行こうっと!→「行かめ!」

「などて勉強をばすべきにかあらむ、あな憂、遊びにこそ行かめ!」

悩まし(具合が悪い)

★解説

「なやまし=悩まし」は、「悩む」から出た言葉です。

現代の我々にとっての「悩む」は、「進路先を思い悩む」「友ダチ関係で悩む」という風に、もっぱら精神的な状態のことを指しますよね?

でも昔は、精神的な意味でも身体的な意味でも「苦しみわずらう」状態にあることを「悩む」という言葉で言い表したのです。

つまり、「具合が悪く苦しむ」というのが「悩む(動詞)」であり、「具合が悪い(形容詞)」が「悩まし」ということになります。

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★オリジナル古文を作る

昨日から具合が悪いからサ、三限目の体育は休むワ

「悩まし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。

一語ずつ直していきますよ。

昨日から→「昨日より」

具合が悪いからサ、→「悩ましければ、」

三限目の体育は→「三限目の体育は」

休むワ。→休むべし。(「べし」は強い意志)

「昨日より悩ましければ、三限目の体育は休むべし。」

つきなし(ふさわしくない)

★解説

この「つきなし」は、「つきづきし」の反対の意味になります。

「付き」というのは「ピッタリ合っている」という状態なので、「つきなし=付きなし」は、「ピッタリ感がない、似合わない、ふさわしくない、不釣り合い」という意味を表します。

「みそ汁とカレーの組み合わせなんて、ヘン~!(つきなし~!)」とか、そんな感じですね。

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★オリジナル古文を作る

おじいさまの法事なのに、真っ赤な服なんか選んじゃダメ!場違いよ!

「つきなし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。

一語ずつ直していきますよ。

おじいさまの→「おじいさまの」

法事なのに→「法事なるに」

真っ赤な服なんか→「真っ赤な服など」

選んじゃダメ!→「更にな選びそ!」

(「更に」は禁止を強める語)

場違いよ!→いとつきなし!

「おじいさまの法事なるに、真っ赤な服など更にな選びそ!いとつきなし!」

つきづきし(ピッタリだ)

★解説

「つきづきし=付き付きし」、「付く」が二つも重なるこの言葉。

あなたは「付く」から何を連想しますか?

「付き合う」「付き添う」「付き人」「付着」などなど…、「付」という漢字には、「ぴったり合わせる」という意味があるのです。

つまり、「付き付きし」は、「いかにもふさわしい、しっくりしている、似合っている」という感じを表すのに使われる言葉です。

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★オリジナル古文を作る

いつもニコニコしているあの先生のあだ名、「えびす様」だって。本当、ピッタリ!

「つきづきし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。

一語ずつ直していきますよ。

いつもニコニコしている→「笑がちなる」(「えがち」と読む)

あの先生の→「かの先生の」

あだ名→「あだ名は」

「えびす様」だって→「えびす様とかや」(「とかや」は伝聞)

本当→「げに」

ピッタリ!→「つきづきし!」

「笑がちなるかの先生のあだ名はえびす様とかや、げにつきづきし!」

ようせずは(悪くすると…、サイアク…、)

★解説

「ようせずは」は、「良くせずは」の音便形で、物事が好転しないまま望ましくない方向へいくのでは…という文章で使われます。

「このままだと…になっちゃうんじゃない?マジ、ヤバいよ!」という場面ですね。

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★オリジナル古文を作る

また赤点とっちゃった。このままだとサイアク留年かも!

「ようせずは」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。

一語ずつ直していきますよ。

また→「またも」

赤点→「赤点」

とっちゃった→「とりてけり」

(「…てけり」は「…しちゃった」という意味)

このままだと→「いま」

サイアク→「ようせずは」

留年かも!→「留年にもこそ!」

「またも赤点とりてけり、いまようせずは留年にもこそ!」

な…そ(…しちゃダメ!)

★解説

「な…そ」の「な」「そ」は、いずれも「禁止」を表す言葉です。

「外に出るな」「泣くな」など、「な」は現代でも禁止を表す言葉として使われていますね。

「な…そ」の間には通常「動詞」が入り、その動作を禁じます。

(「外にな出そ」「な泣きそ」など)

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★オリジナル古文を作る

遠くへ行っても、浮気しちゃダメよ♡

「な…そ」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。

一語ずつ直していきますよ。

遠くへ→「遠く」

行っても→離るとも(「離る」は「かる」と読みます)

浮気しちゃダメよ→「浮気なせそ」

♡→「♡」

「遠く離るとも浮気なせそ♡」