わりなし(そんなムチャな・・・)

★解説

「わりなし」は、「ことわりなし=理なし」の意です。

「ことわり=理」は、「道理、筋道」を表す言葉ですから、「ことわりなし=理なし」は、「道理に合わない、筋道が通っていない、メチャクチャ!」という気持ちや状況を意味する単語になります。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

明日までに論文書きあげろって?!無理だよそんな・・・。

「わりなし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

明日までに→「明日までに」

論文→「論文」

書き上げろって→「書き果てよとや」(「とや言ふ」の略)

無理だよそんな→「わりなきことかな」(「かな」は詠嘆)

「明日までに論文書き果てよとや?!わりなきことかな・・・」

つらし(ヒドイ・・・)

★解説

「つらし=辛し」は、現代の「辛い(つらい)」とちょっぴりニュアンスが違います。

現代語の「辛い」はどんな時に使うでしょう?

「早起きが辛い」「受験勉強が辛い」というように、「自分がそのことによって苦痛を感じる」という意味で使いますよね。

古文の「辛し」も同じなのですが、単なる苦痛だけではなく、「苦痛を与える相手をひどいと思う気持ち」、つまり「相手への恨みや非難」がこめられているのが特徴です。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

こんなに尽くしているのに、見向きもしてくれないアナタ。本当にヒドイと思う・・・。

「つらし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

こんなに→「かばかり」

尽くしているのに→「尽くしたるに」

見向きもしてくれない→「見向きもせぬ」

アナタ→「君」

本当に→「いと」

ヒドイと思う→「つらしとぞ思ふ」(「ぞ」は強調)

「かばかり尽くしたるに見向きもせぬ君。いとつらしとぞ思ふ・・・」

 

 

つつまし(ハニカミ・・・)

★解説

「つつまし=慎まし」は、動詞「包む」から派生した形容詞です。

「包む」、つまり「心の中にある感情や思いが、外側に漏れ出さないよう、そっと包んでおきたい・・」という気持ちを表し、だんだん意味が広がって、「恥ずかしい」「気が引ける」というハニカミを意味する単語となりました。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

〇〇クンにチョコを渡そうとしたんだけどサ、恥ずかしくなって・・・隠れちゃった・・・。

「つつまし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

〇〇クンに→「〇〇クンに」

チョコを渡そうと→「チョコを渡さむと」

したんだけどサ→「せしかど」

恥ずかしくなって→「つつましくなりて」

隠れちゃった→「隠れつ」

「〇〇クンにチョコを渡さむとせしかど、つつましくなりて・・・隠れつ・・・」

 

ことわり(トーゼン!)

★解説

「ことわり」は、漢字で「理」と書き、「〇〇なのも道理だ、当然だ」ということを表したい時に使います。

もともとは「事割り」と書き、「物事を分析し、筋道を立てて説明する」という意味から、やがて「道理を説明して辞退する=事割る→断る」という現代の使い方になっていきました。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

ロクロク勉強しなかったんだもの、落第して当然だよ!

「ことわり」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

ロクロク→「をさをさ」

勉強→「勉強」

しなかったんだもの→「せざりしに」

落第して→「落第するも」

当然だよ→「ことわりなり」

「をさをさ勉強せざりしに、落第するもことわりなり!」

 

ながむ(ボンヤリ・・)

★解説

「ながむ=眺む」は現代の「眺める」と同じく、「遠くを見やる」という意味ですが、「遠くを見やる→色々な思いが心に浮かぶ→もの思いにふけりながら、見るともなく景色を見やっている→ボンヤリと考え事をしている」という風に意味がシフトしていき、「ボンヤリもの思いにふけっている」状態を表す言葉になりました。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

失恋してから、毎日もの思いにふけって過ごしている。

「ながむ」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

失恋してから→「失恋せしより」

毎日→「明け暮れ」

もの思いにふけって→「ながめ」

過ごしている→「過ぐしたり」

「失恋せしより、明け暮れながめ過ぐしたり」

 

なぞ(なんで?)

★解説

「なぜ、どうして?」を意味する単語「何ぞ」は、「なにぞ、なんぞ」と読みますが、だんだん変化して「なぞ」と読むようになりました。

「謎めいた人」「宇宙の謎」といった表現で使う「謎」も、元々はこの「何ぞ」から来ているのですよ。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

クリスマスケーキってサ、25日を過ぎるとなんで安くなるの?

「なぞ」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

クリスマスケーキってサ→「クリスマスケーキと言ふもの」

25日を過ぎると→「25日を過ぐるに」

なんで→「なぞ」

安くなるの?→「安くなるらむ?」(「らむ」は推量)

「クリスマスケーキと言ふもの、25日を過ぐるになぞ安くなるらむ?」

 

らうたし(カワイイ・・)

★解説

生まれたばかりの赤ちゃん猫、ヨチヨチ歩きを始めた子ども・・、思わず「わあカワイイ!」と叫んでしまいたくなる光景ってありますよね。

それがこの「らうたし」で、「らういたし=労甚し」が変化した言葉と言われています。

つまり弱く可憐なものを目の前にし、「労(いたわ)ってやりたいな」という気持ちが自然に生まれるのを表した言葉なのです。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

子ザルが親ザルの背中にくっついて眠ってるの、カワイイったらないよ!

「らうたし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

子ザルが→「子ザルが」

親ザルの→「親の」

背中に→「背に」

くっついて→「かき付きて」

眠ってるの→「眠りたる」

カワイイったらないよ!→「らうたきこと限りなし!」

「子ザルが親の背にかき付きて眠りたる、らうたきこと限りなし!」

 

なつかし(親しみやすい)

★解説

「なつく=懐く」という言葉はどういう時に使うでしょうか?

「園児が保母さんに懐く」「小犬が飼い主に懐く」というように、「子供や小動物が、相手に警戒心を持たずに慣れ親しむ」という様子を表す時に使いますよね。

古文の「なつかし=懐かし」は、この「懐く」が形容詞化したもので、「思わず懐きたくなるような、親しみやすく慕わしい状態」を表します。

(現代の「懐かしい」とは、意味が違うので注意です)

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

新任の先生は、とても親しみやすい人柄なので、生徒たちもみんな慣れ睦んでいる。

「なつかし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

新任の先生は→「新任の先生は」

とても→「いと」

親しみやすい→「なつかしき」

人柄なので→「人ざまなれば」

生徒たちも→「生徒らも」

みんな→「みな」

慣れ睦んでいる→「慣れ睦びたり」

「新任の先生は、いとなつかしき人ざまなれば、生徒らもみな慣れ睦びたり」

 

めざまし(意外!!)

★解説

動詞から生まれた形容詞はたくさんありますが、この「めざまし=目覚まし」も、「目覚む」という動詞からできた言葉です。

「ハッと目が覚めるほど驚いた!意外!心外!」という、「ビックリ!」な心情を表す言葉で、例えば、「(まずいと思っていたのに)食べてみたら美味しかったわ、意外!」とか、「(ブスのくせに)結構な玉の輿に乗ったわねあのコ、心外よ!」とか、要は、「見下していた相手が、思いのほか良い結果を出した時に生まれる心情」を表しているのですね。

ちなみに現代でも、「めざましい発展を遂げる」とか、「めざましい成果を出す」などという風に使われる言葉ですが、現代の言葉には「相手を見下している」というニュアンスは全くありません。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

あのコが委員長になるなんて、意外だったわ!昔は私の子分だったのに・・・。

「めざまし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

あのコが→「かの人の」

委員長に→「委員長に」

なるなんて→「なるなむ」(「なむ」は強調)

意外だったわ!→「めざましくもありけるかな!」

昔は→「昔は」

私の→「わが」

子分だったのに→「子分なりしを」

「かの人の委員長になるなむ、めざましくもありけるかな!昔はわが子分なりしを・・・」

 

あながち(ムリヤリ)

★解説

現代でも「あながち〇〇ではない」という言い方をしますが、古文ではちょっと意味が違います。

古文の「あながち=強ち」は、「自分の意志をなんとか押し通そうとするさま」を表す言葉なのです。

「イヤがっているのに無理やり勧誘する(あながちに勧誘す)」「イヤがっているのに一方的にストーカーし続ける(あながちにストーカーしありく)」というように、人に迷惑がられても構わず我意を通そうとする様を表します。

🐓 🐓 🐓 🐓 🐓 🐓
★オリジナル古文を作る

昨日飲み会で課長がビールを無理強いするの、セクハラだわ!

「あながち」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

昨日→「昨日」

飲み会で→「飲み会にて」

課長が→「課長の」

ビールを→「ビールを」

無理強いするの→「あながちに強ひし」

セクハラだわ!→「セクハラなり!」

「昨日飲み会にて課長のビールをあながちに強ひし、セクハラなり!」