はかばかし(テキパキ・・)

★解説

「奥さんの具合はどう?」「いやあ、どうもはかばかしくなくてネ・・」なんて会話で使われる「はかばかしい」という言葉。これは「物事が思うように進んでいる、はかどっている」という状態を表します。

古語の「はかばかし=捗々し」には、この他に、「テキパキと物事を進めるさま」「頼もしくしっかりした様子」といったニュアンスもありますので、文脈による判断が必要です。

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★オリジナル古文を作る

テキパキと進行を務める者がいなかったので、会議は3時間も長引いた。

「はかばかし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

テキパキと→「はかばかしく」

進行を→「進行を」

務める者が→「務むる者の」

いなかったので→「なかりしかば」

会議は→「会議は」

3時間も→「3時間も」

長引いた→「長引きぬ」

「はかばかしく進行を務むる者のなかりしかば、会議は3時間も長引きぬ」

 

念ず(ガマンガマン・・)

★解説

「ねんず=念ず」は、神仏に向かってひたすら祈願することを意味する動詞です。

現代でも「念仏」という言葉があるように、「念じる」という語は、神仏に祈ったり経を唱えたりする動作を表していますよね。

「病気が治りますように治りますように・・」「志望校に受かりますように受かりますように・・」「あの人と結ばれますように結ばれますように・・」と、心の中でブツブツ祈る(念じる)動作は、次第に「(願いをかなえるために)何かをこらえる、ガマンする」という行為も意味するようになりました。

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★オリジナル古文を作る

旬のスイーツが食べたいけど、ゼッタイ5キロ痩せるんだ!と我慢してダイエットを続けている。

「念ず」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

旬のスイーツが→「旬のスイーツを」

食べたいけど→「食ひたけれど」

ゼッタイ→「必ず」

5キロ→「5キロ」

痩せるんだと→「痩すべしと」(「べし」は強い意志)

我慢して→「念じて」

ダイエットを→「ダイエットを」

続けている→「続けたり」

「旬のスイーツを食ひたけれど、必ず5キロ痩すべし!と念じてダイエットを続けたり」

 

おどろく(ハッと目覚める)

★解説

古語の「おどろく=驚く」には、「ビックリする」のほかに、「ハッと目覚める、驚いて目を覚ます」という意味があります。

自然に目が覚める、と言う意味では「覚む(さむ)」という古語がありますから、この「おどろく」は、「不意をつかれてハッとする」という、意識的な意味合いが強いことが特徴と言えます。

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★オリジナル古文を作る

終電に乗ってうたた寝。アナウンスで目が覚めたら見知らぬ場所。駅を五つも乗り過ごしてた!

「おどろく」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

終電に乗って→「終電に乗りて」

うたた寝→「うたた寝」

アナウンスで→「アナウンスに」

目が覚めたら→「おどろけば」

見知らぬ場所→「見知らぬ場所」

駅を五つも→「駅五つも」

乗り過ごしてた→「乗り過ごしてけり」

「終電に乗りてうたた寝。アナウンスにおどろけば見知らぬ場所。駅五つも乗り過ごしてけり!」

 

 

ものし(目ざわりな・・)

★解説

「ものし=物し」は、目に入るもの耳に入るものが癇に障り、不快な感情を引き起こすことを言います。

古語で使われる「物(もの)」という語は、形がある物体を指すことは少なく、明確な形を持たない漠然とした存在を指すことが多いようです。

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★オリジナル古文を作る

今年入社の新入社員。朝からアクビしながらネットサーフィン。目障りで仕方ない!

「ものし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

今年入社の→「今年入社の」

新入社員→「新入社員」

朝から→「朝より」

アクビしながら→「アクビしつつ」

ネットサーフィン→「ネットサーフィン」

目ざわりで→「ものしきこと」

仕方ない→「限りなし」

「今年入社の新入社員。朝よりアクビしつつネットサーフィン。ものしきこと限りなし!」

 

ところせし(キュークツ)

★解説

「ところせし=所狭し」は、文字通り「場所がいっぱいで狭い」、つまり物理的に窮屈であることを意味します。

それが段々と意味が広がり、「不自由、気づまり、面倒・・」といった精神的な意味、更には「場が狭く感じられるほど堂々として立派な、素晴らしい・・」といったほめ言葉としても使われるようになっていきました。

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★オリジナル古文を作る

相撲部のカレ。四畳半のアパートも手狭になってきたので、引っ越し先を探している。

「ところせし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

相撲部のカレ→「相撲部のカレ」

四畳半のアパートも→「四畳半のアパートも」

手狭に→「ところせく」

なってきたので→「なりにたれば」

引っ越し先を→「引っ越し先を」

探している→「探したり」

「相撲部のカレ。四畳半のアパートもところせくなりにたれば、引っ越し先を探したり」

つれづれ(タ・イ・ク・ツ・・)

★解説

「つれづれ=徒然」は、することもなく話し相手もいない、空虚で手持ち無沙汰な状態を表します。

インターネットはおろか、テレビも漫画もなかった昔の時代、碁や双六などのゲームが、貴族たちの「つれづれ」を慰める貴重な娯楽でした。そのゲームすら手に入らない時には、人々が一か所に寄り集まり、うわさ話や恋バナをして退屈を紛らわせていたのです。

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★オリジナル古文を作る

正月って特にすることもなくて、案外タイクツ・・・。

「つれづれ」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

正月って→「正月は」

特に→「ことに」

することもなくて→「すべきことなく」

案外→「思ひのほか」

タイクツ→「つれづれなり」

「正月はことにすべきことなく、思ひのほかつれづれなり・・・」

 

あまた(たくさん)

★解説

「あまた=数多」は、漢字を見れば分かるように、「数が多い、たくさん」という意味で、「余る(あまる)」と語源が同じとも言われます。

現代でも「引く手あまた」なんて言い方が残っていますね。

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★オリジナル古文を作る

サーティワンのアイスクリーム、種類がたくさんあって迷っちゃう!

「あまた」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

サーティワンの→「サーティワンの」

アイスクリーム→「アイスクリーム」

種類が→「種類の」

たくさん→「あまた」

あって→「あれば」

迷っちゃう→「選び難し」

「サーティワンのアイスクリーム、種類のあまたあれば選び難し!」

 

あぢきなし(やるせない・・)

★解説

どんなに努力しても頑張っても、思うような結果にならないコトって、人生ではよくありますよね。「運も才能のうち」と言いますが、人の力ではどうしようもない結果に、涙を流したり苦々しい思いを味わったり。

「あぢきなし」とは、現代の「味気ない」とは少しニュアンスが異なり、「自力ではどうしようもない状況に対する、諦めや無力感」といった、やり場のない負の感情を表します。

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★オリジナル古文を作る

あんなに練習したのに、入賞すらできなかったよ。なんともやるせない・・・。

「あぢきなし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

あんなに→「さばかり」

練習したのに→「練習せしに」

入賞すら→「入賞すら」

できなかったよ→「せざりけり」

なんとも→「さても」

やるせない→「あぢきなし」

「さばかり練習せしに、入賞すらせざりけり。さてもあぢきなし・・・」

 

心ときめき(ワクワク・・)

★解説

ワクワクドキドキ胸が高鳴ることを、「心ときめき」と言います。

心配や不安で胸の動悸がする、という意味でも使いますが、古文では多くの場合、「期待に胸を躍らせる」という意味で使われているようです。

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★オリジナル古文を作る

好きな人にメールを送って返信を待つ間って、スゴク胸がドキドキする~!

「心ときめき」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

好きな人に→「思ふ人に」

メールを→「メールを」

送って→「送りて」

返信を→「返信」

待つ間って→「待つほどは」

スゴク→「いみじく」

胸がドキドキ→「心ときめき」

する→「せらる」(「らる」は自発)

「思ふ人にメールを送りて返信待つほどは、いみじく心ときめきせらる~!」

 

あはれ(シミジミ・・)

★解説

「しみじみ教」という教え(?)があるそうです。カトリックの神父さんの著書で紹介され、じわじわと信者を広げていると聞きます。

「ひどく裏切られても"人生だなあ"としみじみ・・・。みんなに見捨てられた人と"人生だねえ"としみじみ・・・」そんな一節が、現代の人の心に響くのでしょうか。

古文に出てくる「あはれ」という言葉、それはまさに「しみじみ」のことで、喜びにつけ悲しみにつけ、しみじみとした感情を抱きながら、今も昔も人間は生きていくのかもしれませんね。

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★オリジナル古文を作る

あんなに賑わっていた遊園地が今は閑古鳥・・・。栄枯盛衰だなあとシミジミする・・・。

「あはれ」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

あんなに→「さばかり」

賑わっていた→「賑はひし」

遊園地が→「遊園地も」

今は→「今は」

閑古鳥→「閑古鳥」

栄枯盛衰だなあ→「栄枯盛衰なり」

と→「と」

シミジミ→「あはれに」

する→「おぼゆ」

「さばかり賑はひし遊園地も今は閑古鳥・・・。栄枯盛衰なりとあはれにおぼゆ・・・」