あなづる(バカにする)

★解説

「あなづる=侮る」で、現代語の「侮る(あなどる)」と意味はほとんど同じです。

つまり「相手を軽く見る、見くびる、バカにする」ということで、「軽く侮っていたら、なかなかどうしてスゴイ奴だった」とか、「敵を甘く見るな、侮っちゃいけない」とか、今も昔もそんな風に使います。

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★オリジナル古文を作る

たかが小学生と侮っていたら、メチャクチャ将棋強いの!

「あなづる」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

たかが→「はかなき」

小学生と→「小学生と」

侮っていたら→「あなづりたるに」

メチャクチャ→「いみじく」

将棋→「将棋」

強いの→「強かりけり」(「けり」は発見)

「はかなき小学生とあなづりたるに、いみじく将棋強かりけり!」

 

たばかる(どうしよっかな・・)

★解説

「たばかる」という単語は今でも使いますが、その意味と言えば、「相手をだます、あざむく、策略をめぐらす」というように、非常に悪質な動作を表しますよね。

でも元々はこの単語、「はかる=計る」というのがメインの語義で(「た」は接頭語)、「あれこれ考る、思いめぐらす、工夫する」というほどの、特に悪い意味を持たない言葉だったんですよ。

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★オリジナル古文を作る

冷蔵庫を見たら卵とネギしかない!なんとか工夫して夕飯を作った。

「たばかる」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

冷蔵庫を→「冷蔵庫を」

見たら→「見るに」

卵とネギしかない→「卵とネギのみ」

なんとか→「とかく」

工夫して→「たばかりて」

夕飯を→「夕飯を」

作った→「整へたり」

「冷蔵庫を見るに卵とネギのみ!とかくたばかりて夕飯を整へたり」

 

しほたる(ウルウル・・)

★解説

「しほたる=潮垂る」で、「ポタポタと水のしずくが垂れる」という意味ですが、古文に出てくる「しほたる」は、「ポロポロと涙がこぼれて、ぐっしょりと袖が濡れる」という意味で使われることが多い単語です。

ハンカチなどなかった平安時代、貴族は男も女も、着物の長い袖で自分や相手の涙を拭ったのです。

別離や失恋は言うに及ばず、季節の移り変わりにも「あはれ」を感じて涙を流していた彼らの袖は、オールシーズン乾くことなく湿っていました。

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★オリジナル古文を作る

"卒業式は泣かない"と思っていたのに、後輩たちの歌声に、こらえきれずウルウルしちゃった。

「しほたる」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

卒業式は→「卒業式」

泣かない→「泣かじ」

と思っていたのに→「と思ひつるに」

後輩たちの歌声に→「後輩らの歌声に」

こらえきれず→「え堪へず」

ウルウルしちゃった→「しほたれぬ」

「卒業式泣かじと思ひつるに、後輩らの歌声に、え堪へずしほたれぬ」

 

なめし(無礼な・・)

★解説

われわれ人間が「社会」で生きるには、それなりのルールを守る必要がありますが、中にはエチケットもマナーもまるで無視の、傍若無人な振る舞いをする人も少なくありません。

「なめし」は、「無礼、無作法、失礼、失敬」という意味で、「なめき言葉遣い」や「なめき振る舞い」は、身分制度の厳しかった貴族社会では徹底的に非難、排除されました。

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★オリジナル古文を作る

自分から飲みに誘っておいて、当日ドタキャン?なんて失敬なヤツかしら!

「なめし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

自分から→「我から」

飲みに→「飲みに」

誘っておいて→「誘ひながら」

当日→「当日」

ドタキャン→「ドタキャン」

なんて→「さても」

失敬な→「なめき」

ヤツ→「奴」

かしら→「かな」(詠嘆の語)

「我から飲みに誘ひながら、当日ドタキャン?さてもなめき奴かな!」

くちをし(ザンネンな・・)

★解説

現代でも「口惜しい(くちおしい)」という単語は残っていて、「残念、くやしい、いまいましい」という意味で使われていますね。

古語には、同じような意味を持つ言葉として「くやし(悔し)」もあり、使い分けが難しいところですが、「くちをし」は「期待や当てが外れて不満に思う気持ち」を表し、「くやし」は「自分がしたことを後で後悔する気持ち」を表す、という微妙なニュアンスの違いがあります。

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★オリジナル古文を作る

ルックスはいいのに、ファッションが残念な人って、絶対いるよね~!

「くちをし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

ルックスは→「ルックスは」

いいのに→「良きものから」

ファッションが→「ファッションの」

残念な人って→「くちをしき人」

絶対→「必ず」

いるよね→「あるべし」(「べし」は確信)

「ルックスは良きものから、ファッションのくちをしき人、必ずあるべし~!」

 

こころもとなし(待ち遠しい・・)

★解説

「実は通帳の残高がこころもとなくて、海外旅行には行けないんだ・・」なんて言い方をしませんか?現代の「こころもとない」は「(通帳の残高が少なくて)心細く頼りない」という「不安感」を表す言葉として使われます。

元々の「こころもとなし=心許なし」は、何かを楽しみにしたり待ち望んだりしている時に「待ち遠しい、じれったい」と心がせくことを意味する単語だったのです。

「待ち遠しい、じれったい→いつも気がかり→ホントに実現するの?と不安」というように意味が移っていったのですネ。

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★オリジナル古文を作る

遠距離恋愛のカレに明日会えるの!すご~く待ち遠しいナ♡

「こころもとなし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

遠距離恋愛の→「遠距離恋愛の」

カレに→「カレに」

明日→「明日」

会えるの→「会ふべし」(「べし」は可能)

すご~く→「いみじ~く」

待ち遠しいナ→「こころもとなし」

「遠距離恋愛のカレに明日会ふべし!いみじ~くこころもとなし♡」

 

 

 

あさまし(呆れた・・)

★解説

「あさまし」という語は、「ビックリするような光景を目の前にして、驚き呆れる気持ち」を表し、いい意味でも悪い意味でも使われていました。

たとえば「ビックリするくらいキレイな人=あさましきまで清らなる人」というように、賞賛すべき対象にも使われる言葉だったのですが、時代が下るにつれて、なぜか悪い意味だけに使われるようになりました。

現代では「目を覆いたくなるような、あさましい姿」なんて使い方をしますが、この「あさましい」は「ビックリするほど惨め、下劣」という意味です。

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★オリジナル古文を作る

宿題1ページもやってないなんて呆れた!夏休みは明日までだよ?!

「あさまし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

宿題→「宿題」

1ページも→「1ページすら」

やってないなんて→「ものせずとは」

呆れた→「あさまし」

夏休みは→「夏休みは」

明日まで→「明日まで」

だよ→「ぞ」(断定の語)

「宿題1ページすらものせずとはあさまし!夏休みは明日までぞ?!」

 

ものものし(カンロクある・・)

★解説

「ものものし=物々し」で、「物」が二つも重なるこの単語は、「堂々としている、重々しくいかめしい、貫禄がある」という意味を表します。

現代でも「物々しい警戒ぶり」「物々しい儀式」なんていう風に使っていますよね。1000年を経ても意味はほとんど変わっていないようです。

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★オリジナル古文を作る

細くてか弱い乙女だったのに、中年になったら、随分カンロクついたよネ~!

「ものものし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

細くて→「細く」

か弱い→「あえかなる」

乙女だったのに→「乙女なりしを」

中年になったら→「中年になるままに」

随分→「いみじく」

カンロクついた→「ものものしくなりにたり」

よネ→「や」(詠嘆の語)

「細くあえかなる乙女なりしを、中年になるままに、いみじくものものしくなりにたりや~!」

 

わびし(困った・・)

★解説

「わびし=侘びし」は、動詞「侘ぶ(わぶ)」から出来た形容詞です。

「侘ぶ」は、「物事に行き詰まって困惑、落胆する」というのが元々の意味ですので、その形容詞「侘びし」もまた、「困った、難儀な、がっかりな・・」という風に、「困惑、落胆、失望」といった要素を持ちます。

現代で言う「ワビ・サビの世界」は、「侘びしく寂しい世界」、つまり通常なら困惑落胆失望するような寂しい世界を、あえて良しとする価値観で、茶の湯や禅の教えに受け継がれています。

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映画館で子供がギャン泣きしてさ~、ホント困って外に出たんだ!

「わびし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

映画館で→「映画館にて」

子どもが→「子どもの」

ギャン泣きしてさ→「ギャン泣きするに」

ホント→「いみじく」

困って→「わびしくて」

外に→「外に」

出たんだ→「出でつ」(「つ」は完了)

「映画館にて子どものギャン泣きするに~、いみじくわびしくて外に出でつ!」

 

 

こちたし(ウルサイ!)

★解説

「こちたし」は、「こといたし」が変化した語で、「言痛し」または「言甚し」と書きます。

「痛(苦痛)」「甚(多い)」の文字を見れば分かるように、「苦痛なくらい人の口数が多い、うるさい、しつこい、わずらわしい・・」という意味になりますが、特にネガティブなニュアンスを持たず、「うるさいくらいの髪の量(こちたきほどの髪の量)」というように、単に「量が多い」ことを表したい時にも使います。

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朝から晩まで“勉強しろ勉強しろ”って、ウルサイったらありゃしない!

「こちたし」を使って、上記の現代文を古文に直してみましょう。
一語ずつ直していきますよ。

朝から晩まで→「朝な夕なに」

“勉強しろ勉強しろ”って→「“勉強せよ勉強せよ”と」

ウルサイったら→「こちたきこと」

ありゃしない→「限りなし」

「朝な夕なに“勉強せよ勉強せよ”と、こちたきこと限りなし!」